dev.imcovel.com | 10.0%割引 【書籍】明治7年の金星日面経過観測(K_0535)

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ー観測隊の動向、政府等の対応、派生事項についてー
平成10年度文部省科学研究費補助・奨励研究(B)・報告書

 明治7年(1874年)12月9日、金星が見かけ上、太陽の前面を通過する現象が105年ぶりに起こった。この現象は、当時の天文学上最重要課題の一つであった太陽系の実尺度を決定するために待ち望まれていたものである。各国はこの観測を国家プロジェクトとして位置付け、観測条件がよかった中国、日本、オーストラリアなどへ観測隊を派遣した。

 当時の日本は、明治維新後間もないため、この現象の予測もなく、観測態勢も整える状態ではなかった。このような日本に、アメリカ、フランス、メキシコから派遣隊がやって来て、メキシコ以外の観測隊は長崎に観測所を設けました。まさに、科学の黒船が襲来したのであるが、明治政府は、これらの観測隊を厚遇し、所持器機や物品の無関税・無改め輸出入、内地自由往来、居留地外地所・家屋の借用、電信の優先使用などの便宜を図った。一方では、各省から官員が同行し、近代的な観測機器類の見聞や観測の方法などを伝習させてもらっている。また、このことが一つの契機となって、後の科学・技術の進展に大きく寄与したことも見逃せないであろう。
(中略)
 そこで、本稿は第1章から第8章まで章を設け、公文書などを基に論じることにした。各章の主な内容は次のとおりである。

 第1章では、観測の意義と観測結果などを述べる。
 第2章では、明治政府が観測隊の受け入れの検討を始め、受け入れ決定に至るまでの経過を述べ、併せて留学生の中から同行、研究させるための人選などについて述べる。
 第3章から第5章までは、来日したアメリカ観測隊、フランス観測隊、メキシコ観測隊の動向と政府等の対応について述べる。
 第6章では、我が国の観測隊の組織や觀測への取り組みについて述べ、それぞれの観測結果をまとめる。
 第7章では、観測隊がもたらした日本経緯度原点の決定にかかわる事項など派生事項について述べる。
 第8章では、観測にかかわるできごとを年表形式でまとめる。

■形態:A4並
■頁数:320頁
■著者:原口孝昭
■発行月:平成11年3月
■定価:非売品
■状態:背・地・小口/汚れ 中頁/美 表紙贈呈日付鉛筆書
■発送:ヤマトネコポス発送

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