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農稼業事(前後編)
【判型】半紙本前後2編10冊(前編:3巻付録2巻5冊、後編:5巻5冊)。縦222粍。
【作者】前編:児島如水編・序。児島徳重序。後編:大蔵永常作・序。
【年代等】前編:寛政5年2月自序。上巻:文化9年11月刊。[湖東]耕雲舎蔵板(施本)。中巻:文化11年刊。[大阪]神教痾摩護円薬店板。後編:文政13年7月自序・刊。[大阪]河内屋茂兵衛板。
【備考】分類「農業」。前編は上・中巻のみ刊行(下巻未刊)。大蔵永常の『広益国産考』等と同様に多大な影響を与えた児島徳重の農書。上巻は寛政5年(1793)、上巻付録「懸ほしの弁」は文化5年、中巻付録は同11年にそれぞれ完結したようであり、近江湖東の住人児島如水の著書を孫の徳重が校訂、補筆して出版した。稲や綿の雌雄を図入りで区別し、選種の重要性を理論的に述べ、病虫害の駆除法や稲の掛干し法の奨励など、当時にあってはきわめて高水準で実践的な農書であった。福井藩でも本書に着目し、本書を抜粋したものを領内に配って百姓の啓発を行った(文化14年刊「農稼業事抜書帳」)。後編は、序文によれば、前編刊行後、板元の石倉堂主人の奨めにより、大蔵永常が児島如水の遺志を受け継いで著したものである。内容は1巻が「吉野漆植育かきやう」「木棉(ワタ)の名目、并土佐綿の事」、2巻が「紅花(コウカ)の作り方より紅粉(ベニ)のとり様迄を記す」、3巻が「培養(コヤシ)心得の事」「木臼・土臼の論」「水損の土地再種苗仕立やうの事」「貯穀(カコイコク)土蔵建方の論、并貯へやうの事」「村々貯穀の論、并麦貯へやう」、4巻が「国産を開く心得の事」「油桐の事」「川芎(センキュウ)をつくり、并製法の事」「玉蜀黍(ナンバンキビ・トウモロコシ)を作り、食物の助とする事」、5巻が「水難の防ぎ、川普請の仕様、堤・石垣の築立(ツキタテ)等の図」を収録する。
★原装・題簽付・概ね美本(一部表紙汚損)。前後編揃いは極稀。【参考価格(初出品時の相場):日本の古本屋で、前編(正編)5冊揃いが、52,500円~55,000円。後編5冊揃いが、49,000円】。
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